| エピローグ
四年がたった。
夫婦ベテランの方々にとってみれば、まだまだわたしたちなんか新婚もいいとこだが、それなりに変わったところもある。あの新婚旅行まがいのツーリングに出立する時点では、少なくとも私は子どもをつくるなんて気はまったくなかった。(これは決して夫の男性性を否定する意味でなく、単に人生観の話。念のため(笑)
それが、何の縁あってか名も知らぬ瀬戸内の小さな島で見て聞いたことが、私の考えを一掃してしまった。もしもというなら、少なくとも娘のマドカという人間はここにいなかっただろう。
今回、このレポートを再録するにあたって、いくつか北木島の画像を追補した。
半年前にかの地を再訪したときのものだが、ほんとうに四年前と何も変わっていないので驚いた。平日なのに、波の音しか聞こえない静かな集落。雑貨屋の市原ヒロコさんはあいかわらず石段をのぼって瀬戸内をのぞむ小高い墓地を往復する毎日を送っていたし、
「まったく、ここは人サマより猫の方が多いぐらいやからねえ」
なんて、笑っていた。
もうひとつ変わっていないことといえば、行き帰りの新幹線道中、子どもを押しのけて窓際に陣取り、ガラスにはりついたまま「はえー、はえー!」と騒いでいる男。鼻にガラスのあとをくっつけて、
「なあ。やっぱ新幹線て、バイクよか速えぞ」

ツーリングデータ
・全走行 1,210km
・使用燃料 116.53リットル(2台計)
・平均燃費 20.8km/l
・全費用 199,291円
ガス 17.441円
道路 28.420円
宿泊食費 63.030円
フェリー 68.600円
お土産 21.800円
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