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お次は秘境、知床をめざすが、標津の町でオッサンがバイクを緊急停止。あぶねえなあと思っていると、
「うしゃしゃ、ごめんごめん。ちっと、でかいの産んできやす。」
と、いい残し、そのままスーパーマーケットに駆けこむのだった。手持ち路肩で待っていると、いかにも不良然とした大型スクーター2台が俺を囲んで止まった。額に刻みこまれた皺の渋い年配が話しかけてきた。おお、懐かしい高知弁。俺もすかさず高知弁で返す。
「あんたもコーチから来とっと?」
と、ナンバーをのぞきこむもう一人の年配。
「んにゃ。今は千葉ですちや。でも、まーいとしコーチには行っとりますがア。コーチからスクーターなんぞで来たンですかア?」
「うん、なかなかよう走るで、これ。」
おじさんたちは高知でドカティショップを営んでいるという。俺もドカティストのはしくれ、自然と話は盛りあがり、即興の臨時井戸端会議。オッサンが排泄からもどってきてからは、四台で知床、国後国道を東進。おじさんたちは知床横断国道をのぼり、俺たちは国道をはなれて知床のアイドマリという極点まで進むことにした。なにせ交通量が少なく、さい果ての海を満喫。そして出ました! 瀬石温泉!
ここは磯の一部から温泉が涌き出ていて、まさに海面と同じ高さで入浴を楽しめる。無料だが、更衣室もなければ、道路からもまる見え。おまけに潮が満ちてくると海面下に没するというから、風呂で眠くなる人は注意が必要だ。そんなことをいっているあいだに、オッサンはもうぺろんとパンツを脱ぎ捨て、股に手をやりガニマタでひょこひょこ岩畳の上を歩いている。潮は今ちょうど引いたあとらしく、お湯はぬるぬる。噴き出し口を突きとめ、石を駆使して熱湯を1箇所にためこみ、お尻がひとつ浸かるぐらいの臨時温泉をこしらえた。オッサンは嬉々として尻を穴にはめこみ、「むう」なんていっているが、はたから見ていると猿風呂に入る猿以外のなにものでもない。とかいいつつ、けっきょく俺も同じことをやった。自然とは不思議だ。
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