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2、カモメの白と地を這う虫

 昼ごろ、静かな入り江を見つけ、思わずストップ。すかさず波打ち際にマットを広げ昼寝の体制をとる。このマットこそ、オッサン推奨のエアーマット。備えつけの黄色いエアーポンプで空気を充填するのが面倒くさいが、横になると快適のひとこと。はっきりいってうちの煎餅布団よりよほど寝心地がいい。肩肘ついてサントリーリザーブの小ビンをちびりちびりやっていると、ぽかぽかの陽気に穏やかな波音のハーモニーに身も心も溶けていく。


 奇妙な水音で目覚めると、目の前で大量のカモメが水浴びをしている。直射日光がたまらなく熱く、身を起こすと、いっせいにカモメが飛びたった。
 すさまじいカモメの羽音に、寝るとミイラなみに図太いオッサンもさすがに「なななッ」と身を起こした。白い一陣の風が次々と体の横を通り抜けていく。自然と笑いがこみあげてきて、カモメがすっかりいなくなったあとも俺たちはしばらく笑っていた。
 しかし。
 ふと自分の足もとのマットに目を落とすと、赤い小さな虫がぞろぞろ動いている。ちょうどダニぐらいの大きさだが、とにかく赤い。バネ仕掛けのように跳ね起きた。よく見るとあちらにもこちらにも、地面という地面にうごめいている。東北といえば、これが噂のツツガムシか? ほうほうのていで撤収した。

 

 

 

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