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1、ゾッキーと蛇行バトル

 千葉を立ち、国道六号を北上。
 午前1時30分。最初の給油。笑いが止まらない二人を気味悪そうにながめる店員。
 水戸を過ぎたあたりで、トラックが止まりそうな速度で大群となって縦走している。ひたすら黒煙の横をすり抜け前に出ると、
「ゾッキー(暴走族)だ」
 2台の改造バイクがこの長大なトラック渋滞の先導車を務めていた。そのとき、それまで俺の後ろを走っていたオッサンが横に並んでにやりと笑ったかと思うと、ビュワッと先頭に踊りでるや、2台のあいだに切り込んで行くではないか。
「あやや〜・・」
 トラックの流れは正常にもどり、一人平和に走っていると、一台のゾッキー車が対向車線側をへろへろになってすれ違った。先でオッサンがバイクを停めて待っていた。
「じぇんじぇん相手にしてくれんかった」
 オッサンの話では、2台にスラローム走行を披露したらしい。すると2台はちゃんと真面目になって走りはじめたということだ。確かに元は暴走族全盛期の功績者だけあって、オッサンの蛇行運転は年季と気合が入っている。

 
 東の空が白み夜が明けたころ、国道六号線は国道四号線に合流し、流れのよい片側三車線道路はそのまま仙台を縦貫する。仙台のガススタンドでは店長に熱いコーヒーをご馳走になり、大画面のテレビで一休さんを見る。一休さんのもの悲しいエンディングを聞いてから腰を上げた。仙台から先は霧雨まじりで肌寒い。カッパを着こみ、太平洋沿いの国道四十五号線を北上。三陸リアスに入ると本格的なワインディングだ。

 ときどき県道に入りこみタイトなワインディングを満喫する。荷物を満載しているので愛機TDM850はあえなくステップを路面に押しつけてしまう。北上するにつれ天気は回復傾向。どこかで梅雨前線を突破する算段である。気仙沼を越えると見事、晴れわたった空が広がった。関東ではしばらくお目にかかれなかった青い空だ。

 

 

 

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