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もう独身も最後や!

馬鹿をするなら最後のチャンスとばかりに、結婚式司会進行打合せという強引なこじつけミッションのツーリングは、あららら、雪中強行軍に。

◆乗りたい乗りたい乗りたいぃ!

 

れに遅れた正月休みをもらい、ツーリングに行けなかった憂さを思いきりはらしてやろうと1月28日、兵庫県川西に住む友人、有田に電話。彼には結婚式の司会者をお願いしてある。今回はその司会進行の打ち合わせを遂行するというかなり強引なこじつけミッションを帯びて、今回のツーリングを発動させる。

 もちろん真面目な用事なのだから本来ならば新幹線で行くべきところだが、もうとにかく何でもいいからバイクに乗って乗って乗りまくりたいという一心で、大寒波襲来が予報されている翌日早朝4 時30分に後先考えず出発。いつものことだが、今回も楽しみのあまり一睡もとれていない。小学生の遠足の前日から結婚しようというこの年齢まで、ずっとこればかりは変わらないのだ。

 首都高から東名へ。ひたすらニヤけながら走る。相棒は型遅れのCBR1000F。あのまろやかなエアロフォルムから、人々からクジラと呼ばれている例のバイクだ。走っているだけでとにかく楽しい。

 

◆まさかの雪中行軍

 夜が明けてきたのは箱根を越えてから。それにしても、サービスエリアごとに休んでいる。走りつづけたい逸る気持ちをわざと焦らす。以前とちがってツーリングに行ける機会が少ないから、楽しむことに貪欲なのだ。東名高速の東京大阪の中間ポイント、牧ノ原SAで朝食のとろろ定食を食し、また走りだす。

 日が出ていたのも束の間。名古屋をすぎたあたりから前方の雲行きがあやしい。
 米原の雪は有名だ。東名の中でもここだけは太平洋気候ではない。走れば走るほど気温が下がっていく。路面が白く引締まって見える。シールドの向こうに雪が紙切れのように飛んでいく。

 本降りになる前にこの危険地帯を抜けたい。一心でインターバルを犠牲にし、燃料ぎりぎりまで走りつづけることにした。まもなくあたりは一面の銀世界。雪もいつのまにかシールドにたたきつけるような降り。これだからバイクはやめられない。
 雪も一段落した多賀SAで休みをとる。そのあとは拍子抜けして眠い。大津で高速を降りた。

 


◆聖地巡礼・六甲参り

 国道1号を生き生き走る。入ったガススタンドで、威勢のいい店員の声。関西に来たんだという実感。
「"アキラ"に出てくるようなバイクっすねー!」
 その若い店員はミラーのカバーゴムなどをめずらしそうに触りながら言った。
 京都市内を通過するのは楽しい。国道沿いに巨大な寺門や五重塔があたりまえのように鎭座している。そりゃそうだ、こいつらは国道1号線ができる1000年も前からここにいるのだ。
 京都を抜けてからは171号線で川西へ。昼過ぎには目的地に着いてしまった。有田との約束の時間は夜10時だから、じゅうぶんに時間はある。ここに来たからには、もちろん「六甲参り」をせずにははじまらない。
 宝塚から六甲に入る。一昨年、震災の傷跡なまなましいここを通ったとき、崩落した道路を軽量なSRXにものいわせて強行軍した。しかし今日は重戦車CBR 。工事がすすんでいなければルートを変えるしかない。

 道路の入口には通行止めのゲートがかかっていた。崩落箇所のためではなく、積雪が原因だった。期待していた地元ライダーの姿もない。ところが僕が通行止めのゲートの前で立ち止まっていたわずかな時間のあいだに、3台のバイクが来た。しかもそのうちの1台など高らかなサウンドを残してゲートを突破していくではないか。30秒後にはUターンして戻ってきたが、そのチャレンジ精神や天晴である。なんとその3台のうち3台が、寒風をものともしないあのお茶目な半キャップで関東地方を蹂躙している単コロ野郎なのだ。関西までも彼らに征服されていたとは。

 

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