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下道に入って高崎から榛名をめざす。
空は若干明るさを取り戻しはじめている。俵氏が女の子のあいだに入りつつ、サポート。全体を叱咤激励しているのか、かよぼんといっしょにペースアップをはかっているようだ。
榛名では西麓広域農道がメインポイントらしい。観光的要素は皆無のツーリングのようだ。こんな女の子たちが世に存在していたとは。
広域農道は全線30キロのワインディング。地元ではローリングスポットとしても名高い。さっそく入り口で地元ナンバーのアプリリアRS250とNSR250が背後に。
前歯を輝かせた市原XRが追撃体制に入っている。ホント人格を疑ってしまう。取材車の義務としてオイラも追跡。
本体を置き去りにした身勝手XRとともに山の中腹で待っていると、俵氏ZZRがセローとスパーダにあおられながらピットイン。本体はまったく来ていない。
満面笑顔の俵氏は間を入れず、
「いやー、あのコーナーへのアプローチはタダ者ではない」
ほめられた女の子は恥ずかしそうに微笑んでいる。まるで孫に語りかけているような光景である。

ほどなくして、全員無事到着して小休止。その時、天気もわれわれを歓迎するかのように、ひときわ明るい日差しをはなちはじめた。
このあとはセローとスパーダの二台を先頭に農道を下る。下ったあとのセブンイレブンにてもう一度休む。
美女6人がさわやかな顔での峠談義。
ゼファー1100のシートにはすに腰かけてロングの髪をはらりと振りほどく姿は艶やかそのもの。エセ・カメラマンの市原氏がしきりにフィルムにその姿をおさめようとする。このエロ親爺!
彼女が「お嬢さま」と呼ばれるようになったのは、このあたりからであったろうか。まさにお嬢さま、うん、お嬢さま、嗚呼素晴らしき響きかな、お嬢さま。
くるみ嬢の CB750Kはオイラにとっても懐かしいバイク。くるみ嬢は、
「自分の生まれた年のバイクに乗ってみたかったの」
というが、なぜにそこまで苦労して。
「エアフィルターつけてると調子よくなくて。今日、だめだったら取りはずすつもり」
かわいい顔してそんなことを言う。
やっぱり、くるみ嬢のバイクはみんなの注目を集める。そりゃそうだ。若い女の子が乗るバイクではない。
一方でかよぼんのNinjaだって目立っていいはずなのに、まったく話題にのぼらないのは気の毒だ。このNinjaは市原氏によって二度も事故られ、どーせ直すなら、という悪魔のような市原氏の囁きによって、現在ほとんど族車状態。こんなバイクはとりあえず、目を合わさないようにする方が無難ということか。
くるみ嬢の妹のヒロミちゃんは、お姉ちゃんの名前が名前なだけに、かならず、「もしかして、あんずちゃんですか?」とか、「どんぐりちゃんですか」などと聞かれる。親の気まぐれか、同じ過ちを繰り返さぬということか、名前は意外にも全国規格の「ヒロミちゃん」。
もの静かな石井さんは先ほどの峠での走りで、その存在はじゅうぶんにアピールしてくれた。バイクをおりると、やっぱりもの静かなお嬢さんだ。みんなが限定解除するこの時代にあって、石井さんは限定解除は考えていないという。そうでしょう。あなたなら今のままでじゅうぶんイケてます。
かよぼんとくるみ嬢のルート打ち合わせのあと、本隊出発。一路、北軽井沢をめざして西へ。

二度上峠の県道は浅間山麓を俯瞰しながら走る最高に気持ちのいいワインディングロードだ。
俵氏と市原氏がイッキに先頭におどりでる。
加速をつづけ、本隊を引き離していく。じつはこの二人、10年来の師弟。スキさえあらばという関係だ。本号も追跡に加わる。
二台はもつれあうようにコーナーを抜けていく。
10年間戦いつづけてきた年輪が、二人の描くラインに、また一つ年輪を刻んでいく。
妥協はない。肩と肩は触れんばかりに。 しかしコーナーのきついこの道では、XRに分があるようだ。
俵氏は知らないかもしれない。彼のXRは、氏に勝つためにFCRを積んだばかりなのだ。
乾燥重量128kg、170km巡航も可能なバケモノXRは、いままさに、古く重い老兵ZZRのインを刺す。フロントを5センチ浮かせたまま立ち上りぎわ、市原氏の背中が歓喜に酔った。俵氏は減速。
取材車は俵氏の意志を引き継ぎ、XRに食いつく。
……
頂上で本体を待ちつつ一服。
さんざん悔しがる市原氏を横目にひっひっひ。すると反対車線側からすさまじい爆音。視界にとびこんできたのはドカ916、888、RC30、フルツナギ仕様の3人。
市原氏はすでにUターンして、追撃へと乗り出している。取材車も反射的に体はそっちを向いている。
こうしてドカ軍団を追っかけている最中に本隊とすれ違った。女性陣のあきれた目がこわい。しかしひるまず追跡続行。
70secミッション完遂。2機は機首をひるがえし、240で本隊と合流す。まったく頭がわるいとしかいいようがない。
本隊は従来のレディス先導のかたちにもどり、北軽井沢までのゆるやかな下りを走る。
北軽井沢からは国道141号で南下。女性たちは、次々と他のツーリング集団を追い抜いていく。ほんとにこれはレディスツーリングか。
きわめつけは軽井沢も近くなった、ある下り左コーナー手前。
いったい何に業を煮やしたのか、セロー金子嬢がいきなり加速。対向車線に出たまんま、今まさにコーナーにさしかかろうとしていたクルマと横並び、そのまんまコーナーにツッコんでいくではないか。
唖然とするオトコどもの顔を後目に、金子嬢はかろやかに左手を上げながらクルマを追い越していく。
お見事!
軽井沢をすぎ、小諸にはいったところで、昼食。
皆、すごい食欲でハンバーグを平らげる。おかわり自由のサラダバーおよびスープバーは、われらが一団の完全占拠状態、といえば少し大げさか。
食後にはぶんぶん新聞が配布され、クリスチャン・オックンの変態写真なども回覧で公開される。さすがノーコメントを貫くのはお嬢さまだ。
一方、くるみ嬢とかよぼんは次なるルートの打ち合わせ。俵氏も参加しているところをみると、男性陣では唯一市民権を得たということか。
ただ高速で帰るだけというのもつまらないと、くるみ嬢のひとことで、秩父を抜けていく下道ルートをとることに。
小諸を後にした一団は、コスモス街道を下仁田まで走る。途中、何度となく、淡紅色に染まったコスモス畑に遭遇。
深まりつつある秋の、まっただ中を11台の乾いた排気音が切り開いていく。連れかさなる山並みの厳しいワインディングロードも、女性たちはものともしない。確かに彼女らは乗れていた。
長身でか細い手足ながら、ステディな走りの「お嬢さま」。何ゆえに250kgもの鉄塊を相棒に選んだのか。
前回のツーリング以上に、確実な走りと滑らかさが身についた、くるみ嬢。20年たつ750Kが生き生きと走っていた。
ヒロミちゃんのジールは飛ばす。アクセルを閉じている時間などないのでは。
スパーダ石井嬢。高速の連続走行にもかかわらず危ない箇所など一度もなく、美しく安定したフォームも最後まで崩れない。さぞかし彼氏のコーチがいいのだろう。
唸るUSヨシムラ管、Ninjaかよぼん号も、力強くエギゾーストが峠にこだまする。これからこのNinjaがどう変身していくのか。旦那はさぞかし悪いやつにちがいない。
最後にSERROW225、オフ車、20PSのハンデを微塵もみせず、絶えず速く、前に、コーナーの随所で披露してくれた攻めの走り! 是非今度は本格的オンロードバイクでお相手願いたいものです。末恐ろしい久々のバクダン娘。
思いもよらぬ気迫のハイペースツーリングは、国道299号を経て、埼玉県入間市の国道16号に午後7時ごろ到着し、コンビニ駐車場で流れ解散のかたちをとった。
11名は全員、無事故、無違反、無転倒の三拍子。好天にも恵まれ、深まりつつある秋を、チョット早めに満喫できたツーリングでありました。
今回、参加いただきました皆さん、お疲れさまでした。オトコはやっぱり連れていかないなんていわないで、また企画してくださいね。

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